日曜日のひとりごと 2005

 

12月25日(日)

お店のお客さんで、毎年パーティには必ずお花を届けてくれる女性がいる。

忙しい彼女の近況報告を聞いた。

新聞広告で見つけた京都のデザイナー専門学校の通信コースで、

7年かかってやっと卒業したが、300人の卒業生のなかで、

ただ一人選ばれて、賞をとった。

東京では青山のスパイラルホールで卒展をしたが、

染色した布をまた焼こがしたりした、何ともいえないアバンギャルトな作品。

しかしその後がすごい、その作品を持って、一人パリに売り込みに。

誰も知り合いのない、サンジェルマン・デ・ブレのギャラリーに飛び込んで、

断られて断られてくたくたになった最後の日、

もうだめかと思ったが、一軒の店のオーナーに“トレビアン!”といわれ、

展示できることになった。

只今彼女はそのための作品を制作中。

世界に向けて果敢にチャレンジするその精神、すばらしい !!   

これからのライフワークにかける50才からのスタートです。

 

12月18日(日)

私のお誕生日には毎年どこかに出かけることにしているのだが、

今年は”マンダリンオリエンタルホテル”にいってみた。

地下鉄銀座線三越前に直結していて、

38階のBarでアフタヌーンティーを所望した。

ティーは[アッサム]お変わり自由というわけだが、

ちょっとした口直し程度の,小さなサンドイッチやケーキやチョコレートが,

中国のひな壇のようなものにのせられて、ものものしく次々とでてくる。

中国系のホテルなので、ウエイトレスはチャイナー服、

奥ゆかしくひざまずいて一品一品説明してくれるのだが‥‥。

12月にオープンしたばかりのせいか、もたついていて、

すっかり帰りがおそくなってしまった。

ここも一泊6万円以上もする、中国の進出何故か不気味です。

 

12月11日(日)

もう数十年以上もお付き合いをしている友達がいる。

彼女はベテランジャズシンガー。

もちろん、彼女のジャズ一筋の生き方はすばらしい。

でも私は、彼女の人柄に惹かれている。

昔から、あんなふうに生きていけたらいいなーと思っていた。

いつ会っても変らない、さらっとしていて、愛らしく誰からも好かれる。

彼女の一番すごいところは、別れた彼といつまでも友達のように

付きあっていけるところ、仕事も一緒にさらさらと。

私もそうありたい。

それからセンス抜群。

いつもあとで何を着ていたのか、思い出せないほど、

全体のイメージに溶けあっている。

恋多き彼女、本当に素敵です。

 

12月4日(日)

お店の前に7階建てのビルが出来た。

前のビルに比べてレストランが入るところが、なぜか前に飛び出している。

自分のところさえ目立てば、どんな色を使っても、

どんな形をしていてもおかまいなし、儲かればいいのだろう。

いつも建物や家屋が出来るたびに思うことだが、

その街の雰囲気を考えないで勝手につくってしまう。

もういいかげん営利優先の考え方、終わって欲しい。

ヨーロッパの街並みが美しいのは、古い歴史があるばかりではなく、

造り替える時も全体のバランスを考えて、

ほとんど同じように、色の統制もするらしい。

お店はもっともっと渋くしていこう。

世の中どんなに変ろうと、年輪を重ねた古い木造の中に、

落ちつきとやすらぎを求めていこう。

赤いストーブ、蔦の見える窓、そして究極のJAZZ !!

 

11月27日(日)

昨日は恒例のジャズパーティの日でした。

毎年来てくれる昔からのメンバー、そして新しいメンバー、ほんとにありがとう。

年を重ねてもずっと付き合っていきましょう。

それにしても集まりが悪い。でも今回ふっきれたみたい。

去るものは追わず、来るものは拒まず、

十人十色、いろいろな人がいるけれど、凡ての人をうけいれていこう。

2,3人でもこのパーティ続けていく。

今年のライブはすごくよかった、ホームパーティのように、

和やかで楽しいライブにしていきたい。

生音で聴くこのすごさ、やっぱりすごいですね。

ほんとに皆さんありがとう !!

 

11月20日(日)

この前も書いたけれど、20歳から25年近くお店に来ている男性で、

うつになってしまった人のことを書きます。

9月の頃が一番ひどくて、相手の話が全然聞けず、自分のことばかり繰り返し、

誰かにすがりつくように電話をかけまくっていた。

10月に入って、毎日のようにお店に来るようになったが、何日目位だろうか、

話の中味が広がってきてジャズの話、映画の話、

けっこう共通の話題でもり上がったりした。

どこからが病気でどこからが治っているのか分からないが、

だんだん声に張りが出てきて、とても元気になってきた。

それにしてもカウンセラーの仕事って、すごくストレスの溜まる仕事だと思う。

私はカウンセラーではないので、思ったことははっきり言うようにしている。

それがよかったと思っているんだけど。

とにかく仕事への意欲も出てきた。お役に立ててすごくうれしい !!

 

11月13日(日)

先日デスクユニオンのY氏から、WANTED:VINTAGE・VINYL(レコード高価買取)という、

なかなかかっこいいチラシが届いた。

見本盤は殆ど手に入らない、オリジナルばかり35枚程のっているが、

レアなものばかりで、ヨーロッパ系が多い。

私の好きなデーニッシュも入っている。とにかくすごい買取価格です。

こんなレコードを売ったり買ったりするコレクター達、

レコードを一度聴いたらすぐにテープにおとして、大事にしまっておくそうだ。

何だか切手の収集と同じではないかと思ったりもするけど。

まあそういう人もいるでしょう、人それぞれだから。

でも最近私はコレクターではないなと思うようになった。

だってボロボロになるまで、レコードを聴いてしまう。

私はこれでいいと思っているのだから。

 

11月6日(日)

「日曜日のひとりごと」を開いてみたら、5回分も消えてしまっている。

管理人にしらべてもらったがわからない。

くやしい !! 精一杯書いたものなのに。

いつも下書きをメモで書いているのだが、それも捨ててしまっている。

PCはたしかに便利かもしれない。

でも日記の延長のようなもので、もっと奥深いことを書こうと思っても、

公開しているから書けない部分が多い。

PCが本当の意味で、人間を幸せにしてくれるのだろうか。

私は手紙を書くのが大好き。

字体の中にその人が現れている、手書きが特に好き。

何日もかかって届く手紙を、じっと待っているのってすごく幸せです。

便利ばかりを追求していくと、すべてのことだけれど、人間だめになると思う。

 

10月30日(日)

昨日は代沢で発行しているミニコミ紙に載っていた、

代沢文学散歩コースを歩いてみました。

どんよりと曇っていた空模様も何とか薄日が射してきて、

秋のひととき、とても気持ちのよい一日となりました。

池の上からスタートして、代沢2丁目の住宅街で、

横光利一邸をうろうろ探していると、ご近所の方らしいご夫婦に出会って、

いろいろ親切にしていただいた。

こんなふれあいも、うれしいものだ。

それから、宇野千代、田村泰二郎、坂口安吾、森茉莉旧居蹟と2時間余り。

初めての街を歩いているような、新鮮な気持になった。

代沢をこんなにゆったりと歩いてまわったのは、30年以上も住んでいて初めて。

こんもりとした欅の木や銀杏の木、まだまだ多いけれど、

これ以上緑の多い代沢から、木々を無くさないでほしい。

 

10月23日(日)

”Jazzlife”9月号に、NorthSea Jazz Festivalのレポートが載っていた。

「第30回ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルが7月8日から3日間、

オランダのデンハーグで開催、世界最大のインドアジャズ祭の会場となった。

ハーグ市内のコングレスセンターは連日ソールドアウト、

合計1200人のアーチストによる、200余りのプログラムが、

15のステージで繰り広げられた‥」等々。

日本人に全然会わなかったので、取材してないのかなと思っていた。

でもレポートしているのは、一般料金以外の特別ステージばかり、

ハービーやチックなど、どこのフェスティバルにも顔を出す常連より、

もっと一般的に知られていないけど、ひたすらやり続けている、

アンドリュー・ヒルやバリー・ハリスにも、目を向けてほしかった。

ステップス・アヘットの記事はマイケルが急病のため、

後の全員が思い切りやっている姿を大きくとりあげてくれて、うれしかった。

 

9月18日(日)

先日ガラス拭きをしていたら、ペンキ屋のおじさんに声をかけられた。

むかし珈琲を飲みに、何回か来店したことがあり覚えていた。

いま豪徳寺に住んでいるのだが、自転車を盗まれてしまって困っているという。

私はとっさに長年ほおってある、家の自転車を思い出した。

もう使わないので処分したいとかねがね思っていた。

家にいらなくなった古い自転車があるのだけれど、ほとんど使ってないので

もう動かないだろうといったら、どれどれと言って、

動かない自転車をひきずって修理屋にもっていった。

しばらくして2000円で直って、乗れるようになったと、にこにこしながら戻ってきた。

こんなことでこんなに喜んでもらえるなんて。

うれしい。ほんとにうれしい !!

もう捨てようと思っていたのに、資源をまたリサイクル出来るなんて。

 

9月11日(日)

ルイジアナ州ニューオーリンズに突如襲ったハリケーン、

丁度5年前になるが、8月の終わりにニューオーリンズを訪れたことがある。

あの華やかな賑わいをみせていたバーガンデー・ストリート通り、

建物もミュージシャンも昔のままのブリザべーション・ホール、

チューバを抱えた太って大きな黒人や年取ったギター弾きのおじいさんに出会ったジャクソン広場、

あの人達は皆大丈夫だろうか?成功しようとかお金を儲けようとか

そんな気持ちはさらさらなく今日を一日enjoyしようと思っている人達ばかりだった。

しかし、このハリケーン、世界一豊かな国と言われているアメリカの恥部を

さらけだしてしまった。”貧困””人種問題”

こんな見えない所に貧しい黒人が大勢いるなんて‥‥ホテルに居合わせた人たちも、

皆黒人ばかりだったけど、あの人懐っこい笑顔今も思い出す。

この貧富の差絶対おかしい、未だに燻ぶっている人種差別、

絶対変えていかなくてはならないと思う。

 

9月4日(日)

最近マイケル・ブレッカーが倒れたと聞いて、

急に彼のアルバムを聴きたくなって、何枚かひっぱり出して聴いている。

フュージョン・シーンにやたら出ていた頃のものは別にして、

彼のリーダーアルバム(1987年頃)なんかをよく聴いている。

コルトレーンを深く研究したそうだが、コルトレーンの精神性はほとんど見あたらない。

ライブを一度聴きたいと思っていたが、

何度もチャンスがあったのに聴きのがしてしまった。

一度はモントルー・ジャズフェスで、一度は東京のライブハウスで、

そして最近のノースシー・ジャズフェスで。

いつのまにかジャズ界の大御所と言われるようになって、

これから大活躍しようと言うときに、白血病だなんて‥‥‥。

 

8月28日(日)

最近やっと、スティーブン・スピルバーク監督の”ターミナル”という映画を観た。

映画が好きで、夢中になって観ていた時期があったが、

都内に名画座がなくなっていった頃から、ほとんど観なくなっていた。

大資本を賭けたハリウッドのスペクタクル映画は好きではないので、

見落としていた名画ばかり探していた。

トム・ハンクス主演の”ターミナル”は割合新しいけど、なかなか面白かった。

ストーリーはともかくとして、最後の方でベニー・ゴルソンが”キラージョー”という曲を

演奏するシーンがあったけど、うわーと思ったらすぐ終わってしまって残念。

トム・ハンクスという俳優のことはよく知らないけど、

彼はチャップリンの影響を多大に受けている人だなと思った。

(もしかしたらスピル・バークがチャップリンに心酔しているのかも)

チャップリンがこの役をやったらと、いろいろ想像してしまった。

新しいものもこれから選んで少しづつ観ていこうと思う。

 

8月21日(日)

今年の夏は特に暑さを感じる。

地球温暖化を防ごうと、このところクーラーは28度に、冷蔵庫は開け閉めを少なく、

テレビは点けていないときはコンセントを抜くよう、ずいぶん宣伝するようになった。

こんな小さな事でもみんなが右へ習えしていけば、

ずいぶんエネルギー減になると思う。

生活スタイルも右へ習えして、ヨーロッパのように、

ゆったりとした時間をもてたらいいなーと思う。

日本の夏休みは5・6日しかとれないのが普通のようだが、

ヨーロッパは1ヶ月以上のバカンスをとる(もちろん有給です)。

日本のようにお金をかけて、ホテルに泊まったり観光したりするのではなく、

海や山でキャンプしたり、部屋を借りたりして、

のんびり本を読んだり子供と遊んだりする。

休暇一つ取ってもこんなに違う。

日本はこのままいったらストレスが高じて、世界一治安の悪い国になってしまう。

 

8月14日(日)

オスロを列車で出発して、山の中腹で登山電車に乗り換え、

氷河や滝を眺めながら、山あいの小さな駅へ。

そこからフェリーに乗り、フィヨルドを大きく回っていく。

(切り立った岩と岩の間が、もっと狭く険しいのかと想像していたが、違っていた)

そして港へ到着、バスに乗り込み山を越え、ベルゲン行きの列車に連絡。

ベルゲンに着いた時は、大分遅い時間になっていた。

誰もが一度は行ってみたいと思う、美しい街ベルゲン。

ケーキで作ったような家が、山の中腹に点々と‥。

展望台に上ったり、教会に出かけたり、魚市場でサーモンを食べたり‥。

考えてみると、オランダ人は何か言ったあとにっこりする。

ノルウェー人は笑わないけど、丁寧に答えてくれる。

(ちなみにデンマーク人はすれ違うときにっこりします。)

私もこれから笑顔で生きていきたいと思う。

 

8月7日(日)

ジャズフェスが終わってノルウェーのオスロへ向かった。

最近日本にも、新進気鋭のノルウェーのミュージシャンが来日したようだが、

今スカンジナビアのジャズには、熱い視線がそそがれている。

やっと探した、学生街の倉庫のような建物の中で聴いた、

ノルウェーのアヴァンギャルトジャズ。

ギターとバリトンサックスのデュオだったけどすさまじい !!

この人たちがこれからの未来のジャズの担い手になるのかも。

とにかく北欧のジャズには要注目です。

ホテルのすぐ近くにライブハウスをみつけて入ってみた。

近所の人達だろうか、グラス片手にわいわいやっている、

カルテットはスタンダード、お金を入れるかごがまわってくる。

白夜なんです、いつまでも日が落ちない。(夜11時になってもまだ薄明るい)

ヨーロッパはいま夏休みに入っていて、家族づれの旅行者が多い。

とても簡素な服を着た、ブロンドの髪の少女が美しい。

 

7月31日(日)

ものすごく大きな国際会議場に分かれて同時に沢山の演奏が始まる。

ANDREW HILL, BRAD MEHLDAU, BARRY HARRIS, STEFANO DIBATTISTA,

JEAN “TOOTS” THIELEMANS,McCOY TYNER,ARCHIE SHEPP,ROSWELL RUDD,

BENNY GOLSONN,CEDAR WALTON,AFROCUBAN ALLSTARS,

JIM HALL,JOHNNY GRIFFIN,ROY HARGROVE,MICHEL CAMILO,JOHN ZORN,

STEPS AHEAD,ROY HAYNES,JAMIE CULLUM,その他‥‥‥。

もうその他にも、聴くことのできなかったミュージシャンがいっぱい、

新旧分けへだてなく、すごい盛りあがり!

トゥーツ・シールマンスのハーモニカが、たまらなくせつなくひびく。

でもセッションになると子供のようにはしゃいでいた。

ジョニー・グリフィンの、欲も得もなく残りの人生を楽しんでいるような姿、忘れられない。

皆ミュージシャンを撮りまくっていたけど、私は心の中にしっかりと残しておこう。

毎日がジャズ漬けの3日間でした。

 

 

7月24日(日)

7月7日より18日まで、ヨーロッパ最大のジャズフェスティバル、

ノースシー・ジャズフェスへいってきました。

その後ノルウェーのオスロへ、そしてベルゲンへと旅をしました。

何といってもものすごいミュージシャンが、ぞろぞろ出演するので、

もう行く前からわくわくしていました。

KLM航空で約11時間、あっと言う間にアムステルダム空港、列車に乗り換え、

フェスティバルが行われるハーグの駅に降り立つ。

トラム(路面電車)に乗り継いで、やっとホテル到着。

小さなかわいい、”ホテル・ミモザ”。フランス映画のミモザ館を思い出した。

こんもりとした森、その中をあふれるばかりに流れる川面、北海を見渡す海岸‥‥。

これから始まるジャズフェスの前の、ゆったりとしたひとときを過ごす。

4回にわけて書こうと思うが、簡潔にいきたい。

 

7月3日(日)

最近思うこと。何かのCMで、言葉は何もいらないから、

しっかりと子供を抱きしめてあげてください、というのがあった。

小さな子供が親の胸に抱かれて、幸せそうに顔をうずめている姿がうつっていた。,,

生まれた時はみんな無心、どの子もかわいい、

なのに、大人になってくると、どうして変わっていってしまうのだろう。

小泉首相自ら、未成年者の犯罪をなくすには、

子供の頃に親がしっかりと抱きしめてあげることが、最も必要だといっていた。

確かに一番大事なことだと思う。

しかし子供はじっと親の生き方を見て育つ。

親が経済を優先して、それが子供の幸せにつながると思っている間はだめだと思う。

何かを一筋にやりつづけている親、

楽しいことも辛いことも、何でも話しあえる親、

そうしたら、きっと友達みたいになれると思う。

(次回都合により2回分お休みします)

 

6月26日(日)

スイングジャーナル6月号に、ニールス・ヘニング・エルステッド・ペテルセン(b)が、

4月19日、コペンハーゲンの自宅で、他界したと書いてあった。

衝撃の訃報、まだ58歳だというのに‥‥。

16歳でプロ入りして、コペンハーゲンのカフェ・モンマルトル(ライブハウス)のべーシストとして、

バド・パウエル、デクスター・ゴードン等を始め、多くのアルバムに参加している。

リーダーアルバム”jaywalkin”の中の”my little anna”(おそらく娘の為に書いた曲だと思う)、

ベースだけでメロディを弾いているがとても愛らしい曲、いいなーと思った。

最近はオスカー・ピーターソン・カルテットの一員として、世界的名声を博すようになっていたが、

私はデンマークジャズを支えている人達を応援したい。

何年か前に、コペンハーゲンのチボリ公園で聴いた彼のプレイが、最後になってしまった。

 

6月19日(日)

部屋を整理していたら、雑然とした棚の片隅から、

宮沢賢治の”銀河鉄道の夜”の文庫本がでてきた。

昔読んだけれど、何気なく手にとってみた(おそらく、ほかに読むものがなくて)。

しかし貧しい少年が病母のために牛乳をとりに‥‥。

わずかな労賃を稼ぐための印刷所での描写にぐっとひかれてしまった。

切なく暖かい、しみとおるよう。

こんな親子家族が昔はあったんだ、貧しいけれど親と子がしっかりつながっている。

貧しければ貧しい程、家族は深くつながっていく。

子供の教科書に”肉のつなわたり”という一文があった。

家族が夕飯の時一切れしかない肉をお互いを思いやって、

お前お食べ、いや兄さんお食べ、いやお母さんお食べと渡っていく肉のつなわたり。

今の世の中、どうしたらこんなに相手のことが思えるようになるのだろうか。

そして、銀河鉄道の夜の主人公が、

「皆のために、ほんとうのほんとうの幸せをさがすぞ」という決意にいたる気持ち。

何度も何度も読み返していこう。自分自身の問題でもあるから‥。

 

6月12日(日)

先日、TBSのニュース23で、クリント・イーストウッドと筑紫哲也が対談していた。

40年ぶりの来日だそうで、新しい映画の宣伝のためとか。 

74歳といっていたが、アップした顔がうつってちょっとびっくりした。

マディソン郡の橋のあたりの、クールな印象がつよかったので、

うぁーこの人もこんなふうになるんだと‥‥。

しかし話が年齢のことになって、30代でもしょぼしょぼしている人もいれば、

80代になっても生き生きしている人もいる。人は年齢では見分けられないと話していた。

もう次の作品を考えているという。すばらしい !!

何かに燃えている人、それに向かって一歩でも踏み出している人こそ、

ほんとうに若々しい。

日本人はとくに年齢で人を見る、今どういうふうに生きているかで全然違う、

生い立ちも経験も違うのだから、年齢で人を見るのはおかしい。

中身がにじみでてくるような、魅力ある人になりたい。

 

6月5日(日)

マルセル・カルネ監督の”天井桟敷の人々”というフランス映画を観た。

昔観た記憶はあるが、もううっすらとしか憶えていない。

人間の記憶なんて、やっぱりいつか消えていく。

第2次世界大戦の真っ只中、ひそかにレジスタンス運動が強まるなかで、

こんな恋愛至上主義の映画を創っていたなんて驚きです。

何時の時代でも、実らない恋って永遠なんだなーと思う。

最高のときの思い出だけが残る、それだけで生きていける。

ジャン・ルイ・バロウ、アル・レッテイ、ピェール・ブラッスール、名前だけは皆覚えていた、

ジャン・ルイ・バロウのパントマイム、今観てもすごいです。

それから何十年後、パリに住んでいる彼らの写真集が出た。

アル・レッテイなど車椅子でめちゃめちゃ年とっていた。

みたくない!彼女の美しい面影をいつまでも心に焼き付けておきたいから。

 

5月29日(日)

恒例の一品持ち寄りパーティが無事終わった。

いつもの顔ぶれが集まってくれた。

何があっても必ず来ますといってくれている人、

長い年月の間にはいろいろあるけれど、気持ちがあればどんな状況でもかけつけてくれる筈だと、

何度も連絡したら、やっぱり来てくれた人。

新しい店が入れ替わり立ち替わる中で、僕の青春時代とも言える一時期を過ごしたこの店、

jazzと共にすばらしく濃密な時間を満喫できるこの店に出会え、

ママに出会えたことは僕にとって大きな財産です。といってくれた人。(これはアナログノートより)

胸がいっぱい、うれしい !!

いつ来てもお客いないですね、と言われたら、

お客1人もいなくてもポリシー失わずにやりますと答えよう。

必ずその先に、上に書いたような人たちが支えてくれるようになると信じて。

 

5月22日(日)

五月晴れのすがすがしい一日、ペンキ塗りをした。

もう10年以上も前から毎年つづけている。

しろうとが塗るのだから、うまく塗れないのは仕方がないと思うが

べたべた塗るなと、ある人に言われた時は(ずっと前の事だが)辛かった。

こんな時”今べたべた塗るなって言われたけど、

もう少しやさしく言ってくれたら嬉しかったです”

と、すぐに言えなかった自分がはがゆい。

軽く気持ちを出せば何のしこりもないのに。

その人とも何のわだかまりもなく、付きあえる。

誰とでもにっこりやっていける、毎日がすばらしい!!

もう何にもいらない、すべての人と仲良くやっていく、このストレス社会とは正反対に。

今の気持ちとてもうれしくて、ペンキ塗りのことから外れてしまった。

 

5月15日(日)

ここ数年通院している内科の先生のこと書きます。

その先生は現在83歳、すばらしく元気で、

さすがに今はしてないが、スポーツ万能だったようだ。

ただ口がわるいと言うか、はっきりものを言うので、時々辟易することがある。

怒られているのではないかと思うこともある。

しかしそれでも通っています。(月に一回も行ってないけど)

最近、営利を目的にして、サービスばかりがめだつお医者さんが多い。

けれど、この先生は、薬はなるべく少なく、注射もしない。

ポンポンものを言うのは性格で、本当のことをお世辞ぬきで言っていることがわかってきた。

奥底で患者さんのことを想う、あたたかさを感じられるようになった。

とても先生が好き、‥‥もっと仲良しになりたいと思う。

 

5月8日(日)

ゴールデンウイークも終わりに近づいた。

人も車も少なくなるので、どこにもいかないけれど、

遠くからきてくれるお客さんもいたりして、それが嬉しい。

この前、埼玉から視覚障害のジャズファンが来店した。

ジャズが大好き、特にスタン・ゲッツの最後のアルバム”ピープル”が好きだといっていた。

パソコンでホームページを音声にしてくれるソフトがあるらしい。

ジャズの事とても詳しいし、POSYのホームページの事もよく知っている。

驚いたことに1人でニューヨーク、ニューオリンズ、

そして私の好きなコペンハーゲンのジャズフェスまで行っている。話がはずんだ。

勿論着いてから、ガイドを頼むのだが、それまでは杖を頼りに1人行動、すごい‥‥。

すばらしいと思ったのは、自立して自分のやりたいことを仕事にしていること。

(埼玉の公立図書館で目の不自由な人のために働いている)

40代のようにみえるが、体の不自由さをバネにして、健康な人よりいきいきと輝いているようにみえる。

見習わなくては!

 

5月1日(日)

ホテル・オークラはとても好きな場所だった。

本館11階にスターライト・ラウンジという、すばらしい眺めのBarがあって、

夜はジャズライブをやっていた。

真ん中にステージがあって、ピアノトリオをバックに女性シンガーが出演していた。

(M氏も若い頃よく通っていたといっていた。)

しかし激しいホテル競争の中で少しずつ変わっていくのが垣間見える。

あのスターライト・ラウンジもチャイニーズレストランになってしまって、ライブもやっていない。

テラスレストランもざわざわしていて、オーダーしてもなかなか来ないし、

子供連れや軽装の人が多く落ち着かない。

カメリアコーナーのブレークファースト、スクランブルエッグもトーストも何かお粗末で味気ない。

デパ地下のようにお惣菜もあって、外からオークラの味をTake outできるようだ。。。

なんか淋しい、どんなに大変でもホテルのポリシーを保ってほしい。

ドイツの田舎の小さなホテル、アットホームな朝食を思い出した。

 

 

4月24日(日)

ひょんなことからホテル・オークラに一泊することになった。

宿泊するのは何年ぶりだろう、食事をしにちょくちょくでかけてはいたのだけれど。

こんな機会は滅多にないので、思い切りドレスアップして、非日常性を満喫することにした。

分きざみの忙しい頃(70年代)、毎日の雑用から解放されたくて、

年末年始をホテルでぼんやりすごす、そんな時期があった。

何をするにも優雅、ゆったりと流れる時間、頼めば部屋になんでも持ってきてくれる。

朝7時過ぎ、淹れたてのコーヒーを飲みながら、

NHK・FMでピーター・バラカンのカエターノ・ヴェローゾ特集を聴く。

まるでコンサートで聴いているように生々しく聴こえてくる。

雰囲気でこんなにも違う、最高のひととき!!

フロントもエレベーターガール(はなやかな着物姿、日本的な情緒たっぷり)も、

ポーターもベルボーイもすべて一流なのに、

大衆化されてしまったテラスレストラン、カメリアコーナーにはがっかりした。

次回続きます。

 

4月17日(日)

今日は何を書こうかと迷ってしまった。

毎週何か書くというのは、けっこうしんどいものです。

本当に誰にも見せない日記なら、おもいきりぶちまけて、書くこともできるが、

誰かが読んでくれていると思うとそうもいかない。

私の文章はとにかく短く簡潔でいさぎよいのです。これは考え方、言葉、凡てに通じているみたい。

この間もプールでの知り合いに、自転車に乗ってくればいいじゃない、といわれて、

思わず”無い”といってしまった。相手はびっくりしたようで”無い”とおうむ返しにいって笑った。

言い訳がきらいなので、結論だけ言ってしまってしばしば誤解を招く。

歩くほうが好きだから自転車に乗らないのよ、と言えば相手も納得するのに。

これからは、「何々だから」と一言いれるよう気をつけよう。

 

4月10日(日)

先日マイルスというジャズ喫茶の常連だという、2人の男性が来店した。

1人はとても紳士で、1人はとても毒舌家。

その店は70年代始めまでのアナログしかかけない、CDは絶対かけませんという店。

あそこまで60年代を引きずりながら、やれるのはそれはそれで立派だと思う。

POSYのことをマイルスによく似ているといったが、私は全然似ていないと思う。

雰囲気が違うし、今のジャズもかけます。

場所柄ヤングも入ってきます。

最後にこの店があるということだけでいい、30年以上もやりつづけている、

それだけで価値があるといってくれた。うれしい!!

このキャピキャピしている下北の街の中で、

誰でも1人でもほっとして、心からよろこんでもらえるような、

そんなPOSYを守りつづけていくつもり。世の中変わってもPOSYは変わらない!!

!

 

 

4月3日(日)

今年もまた桜の花の満開の季節がやってきた。

とくべつ寒がりの私がやっとコートをぬいで、のびのびとできるというのに何故か心が鬱々している。

健康で、やりたいことをライフワークにして、信頼すべき人もいて、何がこんな気持にさせるのだろう。

“its a beautiful day” (今日はすばらしい)という言葉がすごく好きなんだけど、

今日を楽しむ、今日を一日充実する、今日はすばらしいと思えなくて、鬱々しているのだろうか。

つらい時、つい神様に祈ってしまうけど、私の神は信仰なき祈りの神で、神=自然なのです。

凡ての事が自然に流れていて、それに逆らうことは出来ない。

自分の死だって自殺以外は、神様(自然)が決めることだから。

今の自分を受け入れていこう。そうして思い切りやろう。

これでよしとするのではなく、心を開いて誰とでも仲良くしていこう。

きっと先の方に光りが……。

 

3月27日(日)

クリント・イーストウッド監督の「マディソン郡の橋」をやっと観た。

80年代頃,もう映画は卒業なんて思ったりしたこともあったけど、

ここにきてまた、見落としている映画を観るようになった。

この映画も噂では聞いていたけれど、変に今風などぎついシーンが

意味もなくあったらいやだなと思っていたが、雨の中、最後に二人が出会うシーン……。

fall in love、でも、これ以上前に進んではいけない大人の恋……。

ずぶぬれになって、こちらをじっとみている男のあわれっぽい表情、

車の中で前のめりになりながら、食い入るように見つめる切ない女の顔、

このシーンだけで、終わりある恋のすばらしさ、今更ながら感じた。

メリル・ストリーブは勿論すごくいいけど、クリント・イーストウッドなかなかやりますねえ。

 

3月20日(日)

今日はこの間プールで出会った若い女性のことを書こうと思う。

何年もバタフライをやっているのだけど、なかなか思うようにいかない。

ちょうど同じコースを泳いでいた見知らぬ女の子に声をかけてみた。

すると、「私、指導員ではありません」とのそっけない返事。

びっくりしてしまったけど、「指導員じゃなくてもいいんです、

ちょっと聞いてみただけですから」と…。

無表情な顔、余計なことにはかかわりたくない、とでもいうような態度。

最近こんな人よく見かける。

どこででも誰とでもさらっとつきあえたらいいな。

10人10色でも、もともとは皆いい人なんだから。

スポーツの中にまでこんな思い持ち込むなんて悲しい。

 

3月13日(日)

ここに住み始めて30年以上たつ。

隣近所とのお付き合いをする余裕もないままに、ここまできたけれど、

最近は何かお役にたちたいと思うようになった。

ゴミの管理をする人がいなくなったせいか、毎週仕分けされていないゴミ袋が残されている。

最初は黙って”仕分けして出しましょう”と紙をはったり、

残されたゴミ袋を整理していたが、これは一人でやることではないな、

ほかの人にも相談することだなと思うようになった。

心の中にあるものを軽く出す、これが人とのつながりを深めていく、

心豊かになる原点ではないか…。

それにしても環境問題がこれだけ言われているのに、意識の低い人のなんと多いことか。

 

3月6日(日)

先日フィルウッズの“warmwoods”を久しぶりに聴いた。

改めてすごーくいいなと思った。何ていうか青春の香りがする。

今聴いても胸が押しつぶされそうな……、どきどきする……。

やっぱりいいものは何十年たってもいい。

音がどうの中味がどうのではなく、聴いていて理屈ぬきにいい。

ヨーロッパに渡ってからのものも中々いいが、私はこれがベスト。

フィルウッズはパーカーを尊敬するあまり、パーカーの死後、

パーカーの愛人だったチャンと結婚してしまうほどの情熱家 !!

人生の中でこんな思い、忘れたくない。

ジャケットがまた、すばらしいのです(こんなにハンサムだったっけ)。

 

2月27日(日)

オリバーストーンのplatoonという映画をやっと観た。

前から観たい観たいと思っていたが機を逸していた。

ベトナム戦争の悲劇、1987年の作品だというが、久しぶりに胸にぐっとくるものがあった。

改めてオリバーストーン監督のすごさに感服。

冒頭、上空からみるカンボジアとの国境近くの森林地帯から、泥沼化していく戦闘状況に……

序序にひきつけられていく。ベトナム戦争に介入しすぎたアメリカ。

その尖兵となったplatoon,一人一人が鮮やかに描かれている。

アメリカがいくら膨大な戦力でベトコンをやっつけようとしても、それは出来なかった。

ベトナム人はじわじわとやりかえしていく、強い信念をもって. 

オリバーストーン監督は力では相手を倒すことはできないことをはっきりと示してくれた。

 

2月20日(日)

最近思っていること。

今の人って何かやりたい事をしようとしている時に、先ず生活を安定させて、

そのあとで自分のやりたい事をしようとしているようにみえる。

昼間生活の為に普通の働きをして、土、日を自分の時間に当てる、

趣味としてならそれでもいいけれど、

プロになろうとしているのなら、生活の凡てをかけなくてはと思う。

食えなくても、好きだから、一筋に、……

こんなふうにやりつづけている人、今は少なくなっている。

好きでなくなったのなら、ともかく、途中でコロっと変わってしまう人

結婚して子供の写真なんかに夢中になっている人って、わたしだめなんです。

 

2月13日(日)

「巴里の空はあかね雲」(岸惠子)を今読んでいる。

もう1冊「30年の物語」も読み終えて…。

すてきな女優の一人だったので、ふと読む気になったけど、なかなか興味深く面白い。

離婚って誰でもそうだろうけど、重いなーと思う。

彼女のさわやかな笑顔からは、こんな苦しみをくぐりぬけてきたようにはとても思えない。

男はすぐに再婚する人が多いけれど、女は自立して自分の生き方をしていく人が多い。

でも懲りずに何度も何度も結婚をくりかえす人は、

一人では生きられなくなっているのだろうか。

別れた人のことを、すばらしい人だったわよーとテレビで話しているのを聴いたが、

すごく魅力的だった。

私もそう言える人になろう。

 

2月6日(日)

私の知人に若いベーシストがいる。

学生時代から知っているのに、何時までたっても彼の印象は変わらない。

彼はつい最近まで、上京するときいつも青春18きっぷだった。

大きな大きなウッドベースを抱えて、乗り継ぎの多い各停で往復していたなんて……(彼は関西在住)。

それでもやりつづけてきた彼をとてもすばらしいと思っている。

とても謙虚、でもすごく情熱的(最近又リーダーアルバムを出したようだ)。

まだプロになる前、アフリカにいくために一年の準備期間を設けて、

ホテルの掃除のアルバイトをしながらスワヒリ語を勉強した。

アフリカからの生き生きとした便り。あの後彼はプロになっていったと思う。

こんな生き方してる人大好き、応援します。

 

1月30日(日)

本当に贅沢な人って、自分の時間をどれだけ持っているかではないかと思う。

私はここにきて本当に自分の時間を持てるようになった。

けっこう自分のペースで毎日やることをこなしていくが、何をしていても

自分の時間になっていてうれしい。

中心はライフワークとしてのジャズをもっともっと深めていくこと。

ジャズに興味をいだいている若い人は多い。

雰囲気で入ってきてくれても、話がしたくて入ってきてくれても、

そこでジャズと出会えたらいいなと思う。

お店に来た人が書いてくれるposyのanalogノート、数は少ないけど、

ものすごくこの店を愛してくれる人もいて、涙が出そう。(若い人が多いです)

しあわせです。

 

1月23日(日)

“ニューヨーク・ニューヨーク”という、ちょっと前のアメリカ映画を観た。

ジャズ映画だと思っていたのでマークしていたのだが、結果的にはがっかり……。

まあジャズメンを題材にしてはいるが、中味はミュージカル寄りの娯楽作品。

なんというか、派手にジャズメンの生活を描いてはいるが、全然その中味が感じられない。

同じジャズ映画でも、デクスター・ゴードンの“ラウンドミッドナイト”という映画などは、

何ともいえない人間の哀歓が描かれていて、すばらしかった。

ロバート・デニーロもいい時にはすごくいいのに、この役ではふっきれない、表面だけに感じられる。

相手役のライザ・ミネリも、ミュージカルスターとしての方が印象強い。

もっと人間の内面に深く触れるような、心に響くようなものが欲しかった。

最新作“ターミナル”にベニー・ゴルソンが出ているようだ。

ジャズ映画ではないと書いてあったが、これは興味あります。

 

1月16日(日)

アンドリュウ・ヒルを最近よく聴いている。

誰かの解説に、「ヒルのピアノはどこかカリブ海のいさり火を思わせるところがある」と書いてあったけれど、

本当にそんな気がして強く惹かれる。

ブルーノートのアルフレッド・ライオンは、ヒルをとても重要視していて、

第一回のマウントフジ・ジャズフェスティバルに、ぜひ来日させるよう望んだという。

にもかかわらず、63年~66年という僅かなブルーノート時代のあと、

彼の消息は全くわからないものになってしまい、

その後も一部にしか彼の名を聞くことはできなくなってしまった。

しかし彼は静かなパイオニアとして、多くの人達に尊敬されている。

(ジャズプレイヤーがいかにお金と良心の間で苦しんでいるかを訴えたり、

公的機関から助成金を得ることに成功したり……)

「パーカーがもしこの時代に生きていたらやったに違いないことを、私がやるつもりです」と、すごい !!

ちなみに2004年のデンマーク・ジャズパー賞は、アンドリュウ・ヒルが受賞しました。

デンマークはやっぱり本物です。

 

1月9日(日)

年賀状が届いた。色々な人からもらうとやっぱり嬉しい。

最近ぜんぜん会わない人でも出していこう。

一年間っていろいろあるんだけど、終わってみると早い。

一つ何かやり遂げると、とても満たされた気持になる。

今年はなにを目標にしていこうかと思う。

とにかくジャズのアルバムをたくさん聴いていこう。

本当に心ゆさぶられるものって、そんなにあるわけがない。

新しいものを聴いてよくなかったら、昔のものを探せばいい。

名盤は時代をこえて不変です。

今年は理屈ではなく、誰が演奏しているかということも後から知るような、

そんなどきどきするものを、探していこう、体で聴いていこう。

 

2005年1月2日(日)

新しい年。

大晦日に降った雪が,街をすっぽり真っ白な雪景色にかえて……。

今年はどんな年になるのだろう。

こうあってほしいと思っても、ほとんどそのとおりにはならない、

むしろ期待していることとは、逆の方向にいくようだ。

今自分のおかれている状況を考えてみても、予想もしていなかった。

今こんな風に生きているなんて考えてもいなかった、でもとても充実している。

いままでしてきたこと、ちっとも後悔していない、とてもよかったと思える。

これからも思い切り生きていこう、相手のことを思いやって生きていこう。

“It is a beautiful year !!”