日曜日のひとりごと  2003年

 

12月28日(日)

桐谷エリザベス著“不便なことは素敵なこと”という本を読んだ。

不便なことがいちがいにいいとは言えないと思うけれど、

今のこの消費社会にうんざりしている私としては、とても共感を覚えた。

幸せは物を所有することからは生まれてこない。

幸せは物ではなくて、精神によってもたらされる。

人生に目標をたてそれに向かって思い切りやること。

幸せはその時の副産物。

私もシンプルライフをもっともっとすすめて、物を持つ代わりに時間をつくって、

精神的に豊かな毎日を送ろうと思う。

 

今年のひとりごとはこれで終わりです。皆さん良いお年を。

 

12月21日(日)

30周年パーティでプレゼントされたとてもすてきな本、

“ジャズ~わたしの音楽,わたしの仲間たち”(モーガン・モーソン著)。

絵と文で自分の体験からジャズについて綴った、とても親しみやすい絵本です。

その中より。

「バードの愛称で親しまれた、ビ・バップの創始者チャーリー・パーカー。

個人的な問題が音楽家としての生活をむしばんでいく。

薬物と酒の中毒を患った退廃的な暮らしがいっきょに死へと…。

享年わずか34歳。

しかし革命家チャーリー・パーカーは新たな方向へとジャズの進路を切り開いた。」

人生を倍速で生き抜いた天才パーカー。

チャーリー・パーカーは永遠です。

 

12月14日(日)

六本木のサテンドールヘカーリン・クローグを聴きにいく。

待ちに待ったライブだったので、早めに出かけて席に着いた。

予定を大幅に過ぎてやっと始まったが、席がもう目と鼻の先で、2ステージも堪能してしまった。

なんにも飾らないそのままの姿、個性的なジャズフィーリング、

さりげない中に年輪からくる強い自信と輝き。すばらしい !! 

彼女が尊敬する黒人シンガー、ジミー・スコットに捧げたナンバー、

“everybodys somebodys fool”は、ぐっと心にしみた。

ヨーロッパを代表するジャズシンガー、カーリン・クローグ、ずっと歌い続けていってほしい。

今月のスイングジャーナルの名盤クラブに、

BLUES AND BALLAD (カーリン・クローグ&デクスター・ゴードン)が選ばれて、とてもうれしい。

  

12月7日(日)

NHKのラジオ深夜便という番組の中に、ワールドネットワークというのがある。

いろいろな国の近況を伝える内容だが、その中にブラジルが入っているので月一回位だが聞いている。

日本ブラジル文化協会のやないのぶおさんという人が、リオから発信している。

その中でブラジルは治安の悪いことばかりが強調されているが、

地元の人達はとても親切で心優しい。

音楽を心から愛していて、その中に生きるよろこびを見出しているといっていた。

映画監督のミカ・カウリスマキ(彼のブラジル音楽のドキュメンタリー映画が公開されるようだ)も、

ブラジル人の音楽への傾倒ぶりを、絶賛している。

私たちも、ブラジルへの認識を変えていった方がいいと思う。

 

11月30日(日)

昨日はanniversary最後の30周年パーティーでした。

皆さん本当にありがとうございました。

こんなに祝ってくれて私は幸せ者です。

心から御礼申し上げます。

これからは知る人ぞ知る店として、マイペースでやっていきます。

昨日感じたこと。

色紙に貼った私の昔の写真を見て、「芝居やってたんですか」と訊かれて、黙ってしまった。

私は後ろを振り向かないで生きてきたので、過去のことは話さないつもりです。

今が充実しているかどうかが、一番大切なのだから。

 

11月23日(日)

時々来店する若い男性がいる。

最初はパーカーを一度聴いてすごく好きになったといっていたので、頼もしいなと思っていた。

しかしそれ以降パーカーを聴いている様子もなく、他のジャンルに移っている。

パーカーのアドリブのすごさや感情移入のないクールネスは何度聴いても感動する。

好きなミュージシャンをみつけたらとことん聴いていくと、そこから広がって本物がみえてくると思うのだが。

「年配の人には新しいものはわからない」「バリー・ハリスはおじいさん」

と言った彼に、私ははっきり「年は関係ありません」と言ってしまった。

生い立ちも経験もそれぞれ違うのだから、年齢で人をみるのはおかしいと思う。

 

11月16日(日)

スイングジャーナル誌を見ていたら、来日ミュージシャンの中に、小さくカーリン・クローグの名前を見つけた。

よく見たら大阪でしかやらない。

すぐに中ノ島実行委員会というところに電話したら、何と東京で一回だけ、六本木のサテンドールでやると言う。

思わず行くぞと決めて、お店に連絡、予約した。12月9日です。

前から来日してほしいと思っていたので、とてもうれしい。

ノルウェーの歌姫カーリン・クローグは最近新しいアルバムも出し、健在ぶりを発揮しているが、

そのモダンで今日的なフィーリングは少しも変っていない。

ニュージャズへのアプローチを見せながら、

オーソドックスなジャズボーカルとしてのうまさも存分に示している。

すごく楽しみだ。

 

11月9日(日)

パーティーのお知らせを出してから一週間余り、思いがけない人からの朗報があったりして

とてもうれしい。

POSYのために祝ってくれる…胸がいっぱいになる。

ここまでやってこられてほんとによかった。

来られる人だけで最後の30周年パーテーをせいいっぱい祝おう。

今までどうして返事をくれないのだろうと、返事のないのが返事だという人に、

とてもむかついてきた。

日本人の一番悪い習慣、NOと言えない態度。

でももうそんなことも、どうでもよくなった。ここまでやれてすごく幸せ。

これから先はわからない。でも本物のjazzの店として、前を向いてやっていく。

 

11月2日(日)

スティーブ・コールマン&ファイヴエレメンツの“on the rising of the 64 paths”を聴く。

彼の魅力は、小さなライブハウスで聴くのが一番だと思う。(ミュージシャンの息吹きがナマで伝わってくる)

幸いベルリンでそういうチャンスに恵まれたけれど、観客との一体感はすごかった。

彼はパーカー以来のビバップ曲を必ず入れていて、リズムがすごい。踊りたくなる。

そういえば私の前に立っていたイタリア系の頭のつるっとしたおじさん、縦のりでめちゃくちゃ踊っていたっけ。

アンコールでのバラードも又なかなかです。

やっぱりブルックリン派はかっこいい。

ヨーロッパのレーベルに移っても変わらないで、どんどん新曲を創って欲しい。

一番注目しているアーチストの一人です。

 

10月26日(日)

annivarsary partyのお知らせカードが出来上がった。

苦労した甲斐があって、とてもcoolな仕上がり。

今年で30周年を迎え、丁度区切りが良いと思ったので、

これで記念行事は一応終わりにしたいと思う。

思えば毎年毎年、よくやってこれたとつくづく思う。

POSYに思い入れのある方ばかりが、ずっと支えて来てくれた。

これからはもっと気楽に、一品持ち寄りpartyや、jazzpartyを増やしていきたい。

この頃ネットで来てくれるお客さんが増えている。うれしい。

ジャズを一緒に楽しんでいこう。

私はジャズを人生のパートナーにしていく !!

 

10月19日(日)

昨日は“DAMONNE下北”という短編映画を観にいった。

これは“下北沢シュワッチ”という街全体のイベントだそうで、5月頃ひとりごとで書いたと思うが、

POSYでロケした、夢をテーマにしたというコメディ映画。

どんなだろうとちょっと期待して観に行ったのだが、

主人公の夢がもっと強烈に迫ってきて欲しかった。

知っている店や場所が出て来て思わず笑った。

こんなふうに変わってしまった下北沢を嘆いている私だが、

夢のある街、お金よりも夢を、そんな街になっていったらねぇーと思う。

地元の人は金で動いている気がする。全然違う。

撮影の時に主役の男の子を見た時は冴えなかったが、

映画になると素朴でなかなかよかった。

 

10月12日(日)

最近、お先にどうぞ(after you)という毎日をしていて、とても楽しい。

せかせかとして時間に追われて過ごす人、未だに多いですよね。

もうそろそろ、仕事を定時に終わらせて、後はゆったりと自分の時間を楽しむ、

そんなふうになっていってほしいです。

私は電車に乗る時でも、買物をしてレジの前に並ぶ時でも、プールサイドでターンしようとしていても、

同じ列に人がいたら、黙っている相手にお先にどうぞと一言いいます。

大抵の人は悪い気持はしないようです。

私もとても気持がいい。幸せな気分です。

やってみませんか !!

 

10月5日(日)

昨日は四谷のイーグルへ久しぶりに聴きに出かけたのに,閉まっていてがっかりした。

電話して行くべきだった。

看板にはジャズという字が書いてない。“Cafe Bar”としか書いてない。

トランペットの絵が描いてあるが,ジャズの店には見えない。

どうしてだろう? 著作権の関係で表に出さないのか。

まあ,知っている人は知っている店だからあまり影響はないだろうが。

POSYもこのキャッチフレーズに悩まされている。

ジャズをはずしたら普通の店になってしまうだろうし,

CafeもBarも日本人独特のイメージを持っていてとても使いにくい。

やっぱり“Jazz Haus”が今は一番いいのかな?

 

9月25日(木)

早坂紗知というサックス奏者の“ダブル・レインボー”を聴いた。

いいですねえ,びっくりしました。

こんなにも透明な,胸にせまる音。これぞフリー !!

ジョン・ゾーンがプロデュースをかって出たってこと,わかります。

さて,今週はこのホームページを作っている管理人が旅行に行くため,

日曜日ならぬ木曜日のひとりごとになりました。

まあ,考えてみると,ひとりでは何も出来ない。

ずいぶん,みなに助けられて生きてきたものだなーと思う。

ここまでやってこられたのも,本当にいろいろな人の支えがあったからこそ。

これからも…。

 

9月21日(日)

先日お店でワークシェアの話が出て、とても面白かった。

わたしの好きなデンマークでは(本当に進んでいる国)、お互いに5時になったらさっと帰れて、

家族と一緒にゆったりとした生活を楽しむことができる。

(遅くまで残業している日本では考えられない)

夫婦揃って仕事をしているので、子育ては国が充分面倒を見てくれる。

(片方だけに負担がかかるというのはないみたい)

日本でもワークシェアが浸透して、

収入は減っても心の豊かさがほしいと言う人が増えてくれるといいのに。

そうしたらこんな殺伐とした治安の悪い国から脱却して、

人々の優しい笑顔が戻ってくるのでは?

 

9月14日(日)

今お店に置いてあるアナログノートを読み返している。

いろいろ読んでみて共通して言えることは、同じアルバムでも家で聴くより、

ここで聴いたほうがずっと良く聴こえて、とても元気が出るという。

考えて見ると、10人が10人落ち着く店だと言うが、私が特別に何かしたわけではない。

私は黙って座っているだけなのに…。

やっとわかった、私は人の前に出て何かするのではなく,一歩退った所で人の話が聞ける、そんな存在だったのだ。

自然がこの世に送り出してくれた存在価値にやっと気づいた。

このままでいこう。これが私の持ち味なのだから…。

 

9月7日(日)

今日は近くの北沢八幡宮の年一回のお祭りの日。

“ケニー・バロントリオ・アット・ザ・ブラットレイズ”を聴く。すごくいい !!

ニューヨークのクラブ、ブラットレイズ、なつかしい !!

1989年のJVCジャズフェスティバルに行った時、

昼間ぶらぶらダウンタウンを歩いている時に、見つけた店。

 

落ち着いていて品があった。確かジミー・コブがでていた。

あの時あちこちと歩いた。まだ夜は治安が良くなかったのに…。

そのブラットレイズも今はもうない。

 

8月31日(日)

アメリカ映画“招かれざる客”を見た。

良い映画ですねえ… 久しぶりに感動しました。

こんなに良い映画を見落としていたなんて。日

黒人の恋人を連れてかえって来た娘を見て、こんなに幸せそうな顔を見たのは初めてと

遠くからつぶやく母親役のキャサリン・ヘップバーン。

素晴らしい !!

私もそんな風に本当の幸せを見守ってやりたい。

スペンサー・トレシィー、シドニィ・ポアチエ、皆良い。

“12人の怒れる男”以来の感激。

 

8月24日(日)

昨日はホテルニューオータニに出かけた。

暑さがむし返してきたけれど、夏はこの方がいい。

17階から眺める東京はけっこう緑も多く、遠くに新宿の高層ビルが小さく見える。

こんな日があってもいい。

何も考えないで、ぼーっとしている時間があっても。

ここで、ビル・エヴァンスがかかったら最高だなと思う。

そうだ、来月はビル・エヴァンスの命日だから、私のおすすめの一枚は

“アンダーカレント”にしよう。

これを聴いて、本当の幸せって何だろうと考えられたら、すばらしいと思う。

 

8月17日(日)

鳥取からバイクで来たという二人連れのお客が来店。

東京のジャズ喫茶めぐりと、レコードを買って帰るのが目的だそうだ。

地元でジャズ喫茶を始めて1年目だという青年は、昼は板金屋をしながら、夜と土日に集中して昔ながらのアナログONLYの店をやっているという。

田舎のほうが、純粋にジャズ喫茶をやれる。

POSYのことを本物だと、お店に置いてあるノートに書いてくれた。 うれしい。

これからも知る人ぞ知る、オーセンティックな店でありたいと思う。

 

8月10日(日)

デンマークのジャズにとても興味を持っている。

(この国の考え方がとても好きだから、そして日本ではスウェーデンばかり強調されているから)

“ベント・ジャーディク・フロム・ジャーディクス・ギャラクシー”というアルバムを聴いた。

ベント・ジャーディクはサヒブ・シハブの“Danish Radio Group”にも参加している。

他にもデンマークのまだ知らないミュージシャンも沢山いて、もっともっと知りたいと思う。

最初デンマークはスウェーデンと違ってクールなスタイルより、ハードバップ的スタイルが中心だったようだ。

本当に彼らは真摯で誠実な感じがする。

最近の、トーマス・クラウセン、マット・ビンティング、アレックス・リール、ジャスパー・シロなどの活躍はもとより、

もっと前のアルバムも聴きたい。

以前、限定発売された“馬車”のように。

 

8月3日(日)

昨日は新宿伊勢丹のブランドセールに行った。

ものすごく込んでいるのかと思いきや、意外にも人はまばら。

毎年行っているが、今年が一番ゆっくり見てまわることが出来た。

帰りにお茶を飲んでくる。

なんてことない日々。

凡てがなつかしく思い出される、この平凡な幸せ。

毎日を大切に、悔いのない一日にしていこう。

大きな目標はあるのだから、そこに向かって一歩一歩近づいていこう。

それにしても歩みが遅くてこれでいいのかと思うことがあるけれど、でもやっぱりやっていこう。

“知る人ぞ知る店” それでいい。

 

7月27日(日)

50年代のドイツ人女性ピアニスト、ユタ・ヒップの“アット・ザ・ヒッコリー・ハウス”を聴いている。

ソフトにスイングするつつましやかなサウンド、いいなあと思う。

ユタ・ヒップが最近亡くなったと聞いて(78歳だった)、感無量の思いがする。

ジャズ界から身を引き、ニューヨーク・ロングアイランドの縫製工場で裁断の仕事をして、

独身女性として生涯アパート暮らし、わずわらしい関係をさけて、

あくまでも自分の好みに忠実で、自由気ままな生活を送ってきたという。

ジャズをきっぱり捨てたのも、中途半端さを嫌う、はっきりした性格だからだと思わずにはいられない。

こういう生きかた好きです。すごく好きです。

逢ってみたかった。

 

7月20日(日)

村上春樹「海辺のカフカ」を読んだ。

上下2冊の本でけっこうぶ厚いが、自分でもびっくりするぐらいのスピードで読み終えてしまった。

次はどうなるのだろう、どうなるのだろうと、次々と起こる出来事につられて。

生霊とか記憶喪失とか予言とか、現実とは思えないことが起こり、

人間ではどうしようも出来ない力に動かされてゆく。

一気に読むとはこのことだ。面白かった。

コルトレーンのマイフェイバリット・シングスが出てきて、思わずにんまり。

 

7月13日(日)

昨日はぶらぶらと谷中散歩へ。

雨は止んだけど、むし暑い。

日暮里の駅に着いた頃から、気温もぐんぐん上がってきた。

朝倉彫塑館に行く。

昭和の初期に朝倉文夫自らの設計で建てられた。

数奇屋造りや日本庭園のたたづまい、そこにある数多くのコレクション、ぐっと昭和の始めにタイムスリップ。

谷中はいい。

地元の人が向こうから声をかけてくれる。

古い家並みと人々の人情、いまだに残っていることがすごく嬉しい。

ロマンと歴史を求め、気の向くままに歩く。

けっこう楽しい一日だった。

 

 

 

 

朝倉彫塑館にて

 

7月6日(日)

梅雨空のはっきりしないお天気。

昨夜、アラーキーの写真展の帰りといって寄ってくれた女性(とてもかわいい感じの若い人)が

“すごく安らぐ、時には頑張っている自分を忘れて立ち止まって考える場所、POSYのような場所が必要だ”

と、お店に置いてあるノートに書いてくれた。

私もそれを見て、嬉しくなって、元気になってきた。

こういう人が増えてくれたら、お店をやっていく勇気が出る。

物ではなく精神的に必要とされている店、喜んでもらえる店にしていく。

 

6月29日(日)

最近出版された「ブラジリアンサウンド」という本を読んだ。

ブラジルの歴史から最近のミュージックシーンまで書かれているものすごく分厚い本で、相当気合を入れて読み終えた。

サンバ、ボサノヴァ、MPB、インストォルメンタル、JAZZ、ブラジリアンロック等と、ブラジルの音楽シーンもどんどん変わってきている。ボサノヴァはもう現地では殆ど聴くことが出来ない。

とにかくアフリカの黒人の音楽はどこに行っても大きな影響を与えているし(アメリカ、キューバもそう)、ジャズメンのブラジル音楽へのかかわり方もとても熱い。

ところで、毎年5月に、リオデジャネイロでジャズフェスティバルがあることを知った。

行きます !!

深夜のラジオのワールドリポートで、リオは治安が悪いという部分だけが強調されているが、地元の人はとても暖かく親切で、道を尋ねたら時には目的地まで連れて行ってくれるという話を聞いた。

ちょっと嬉しくなった。これから行くまでに、もっと現地について調べよう。

来月から「私のおすすめの一枚」のページを作る予定です。

 

6月22日(日)

映画「アラバマ物語」を見た。

ニュースでグレゴリー・べックが死んだのを知り、大好きな俳優というわけではなかったが、

テレビでワンショットを見てビデオを借りる気になったのだ。

舞台は1950年代、アメリカの南部。 

黒人差別が根強く、農民は貧しい。

モノクロの画面に広がるのは、暖かい人の心、子供たちの生き生きと遊びまわる姿、

そして「絶対にけんかしてはいけない、話し合うのだ」と諭す父親…。

グレゴリー弁護士一家の誠実な生き方は、今のアメリカとは大違い。

よき時代、アメリカの良心 !!

 

6月15日(日)

この前の木曜日、POSYの中で、映画の撮影が行われた。

何でも10月に下北フェスティバルといって、映画・音楽・演劇を同時進行するイベントを行うそうで、そこで使うため撮らせてほしいとのこと。スズナリで上映するそうだ。

こういうのはちょっと抵抗があったが、監督が店内を是非にというし、この店が何かのお役に立てればと思って、OKした。

(そういえば以前、この店を映画のセットに使えたらとてもいいのに、と言われたことがあった)

撮影が終わって帰るときカメラマンが、とても良いものが撮れました、と心から喜んでいた。この感謝の気持ちは本当だと思った。

それでいい、それだけでいい。

本当に心から喜んでもらえたのだから。

 

6月8日(日)

昨日はThe Japan Jazz Vocal を聴きにいった。

よっちん(後藤芳子さん)が昔から支え続けている会なので、毎年応援してきた。

日本のジャズボーカルの中では、よっちんは通好み、玄人受けするシンガーだ。

おだやかな人格の中に、芯の一本通った強さを感じる。

また今週は、ヨーロッパ随一の実力派、カーリンクローグが最近出したアルバム“Newyork Moments”を聴いた。

今、絶好調という感じ。歌の世界にぐぐっとひきこまれた。

大好きなシンガーの一人です。

 

6月1日(日)

恒例の一品持ちよりパーティを無事終えた。

いつもの人たちが来てくれるのがうれしかった。

ほんの2・3人だけしか来なくても続けていこう。

一人の人や身内の人だけを愛するのではなく、凡ての人にほほえみを交わしていこう、というのが今の私の心境。

それが本当の幸せであり、ストレスのない生き方だと思う。

昨夜のパーティとっても楽しかった。

みんなありがとう !!

 

5月25日(日)

今チャーリー・パーカーを聴いている。

鬱々としていても、パーカーの音を聴くと気持ちがぐっと高まってくる。

特に、彼が一瞬のうちにメロディーを崩していくところに、胸のときめきを感じる。

もうこれだけで最高。

私の好きな“バード・イズ・フリー”。その中の“マイ・リトル・スエット・シューズ”は特に良い。

泣きたくなるような、延々と続く彼のアドリブ。この飛翔ぶり !!

中身が素晴らしければ音の悪さなど二の次だと思う。

ジャズは裏切らないからいい。I Love Jazz !!

 

5月18日(日)

昨日はお店のペンキぬりをした。

小雨模様の曇り空、どうしようかと迷ったが毎年の行事なので始めてしまった。

ペンキぬりはもともと好きだ。(高いところでも平気)

最初は汚れないようにと気をつかっているのだが、そのうち体じゅうがどんどんペンキまみれになっていく。

後半は勢いに乗ってすごく楽しかった。

こんなささやかな楽しさの中で喜びを見つけていこう。

そして自分だけが楽しいのではなくて、みんなも楽しくなるような、そんな生き方がしたい。

 

5月11日(日)

筑紫哲也のニュース23の「スローライフ」特集を見た。

とても期待していたのだけれど、ちょっとがっかり。

「老いを楽しもう」という例で、結婚相談所で相手を見つけようと必死になっている男性をとりあげていたが、これがスローライフにつながるのかなと思った。

でもこの特集には、いろんな人が出てきた。

ゆっくりと歩いていると心が豊かになるという人、もう先がないからやることがいっぱいでスローではいられないといっていた人…。

スローライフとは、ゆったりとした心を保つこと、せかせかしないで人とのつながりを大切にしていくこと、そんな新しい豊かさを持つことだと感じた。

 

5月4日(日)

知人から電話があった。

今年になって、体が動かなく、何にもする気にならなくて、どこにも出ていないという。

どうしてそうなってしまうのか、本当に何とかならないのかと心が痛む。

最近精神を病む人が多いけれど、この社会の仕組みの中ではどんどんこういう人が増えていくと思う。

もう生き方を変えて、貧しくてもストレスのない、ゆったりとした生活をしていかなくてはいけない時に来ているのではないか。

 

4月27日(日)

昨日、ペーター・ブロッツマン(ts)を聴きにいった。

場所は法政大学の中だったが、前回行った時とは打って変わって、とても雰囲気のある小さなライブステージに変わっていた。

欧州フリージャズの頂点を極めたブロッツマンには前から興味があったが、その最初の一音でぶっ飛んでしまった。

もう終止マシンガンのよう、音の洪水の中に身体が溶け込み、ふぁっとなり、涙さえ覚えた。

最後まで変わらないでやりぬくであろう、ブロッツマンの大ファンになった。

 

4月20日(日)

こないだの月曜日、東京ウオーカーの取材が来た。

下北特集で、5/13号に載るらしい。

こうゆうものがどれだけ宣伝効果になるかわからない。

昔、HANAKOに載ったときも、そんなに変わらなかった。

本当は口コミでお客が増えてくれたら一番うれしい。

(ホームページを見て来てくれる人もいる)

ジャズは私のライフワークだから、only one の店でいきます。

 

4月13日(日)

親友と二人、毎週土曜日に下北沢でお茶をするようになってから一年がたつ。

とてもいろんな話がはずんで楽しい。

こんなに色々深い話ができる関係はそんなに無いと思う。

これから二人がどんなに変わっていっても、

この絆はこわれないでいてほしいと思う。

 

4月6日(日)

昨日の寒く冷たい雨に変わって、今日は何て素晴らしい天気なのだろう。

桜の花の満開の時。

私は今日から新しい気持ちで、今までの思いを切って生きていく。

私の好きな女優、キャサリン・ヘップバーンが言ったように

“Wonderful Wonderful Life”にしていく。

今日は私の新しいスタート !!

 

3月30日(日)

「デンマークを探る」(小池直人著)を読んだ。

私の第二の故郷、デンマークをもっと知りたくて、一気に読んでしまった。

今は無きコペンハーゲンのライヴハウス“カフェ・モンマルトル”のライヴ盤

(多くのアメリカのミュージシャンが60年代コペンハーゲンに移り住んだのは有名)

をたびたび聴いて、彼の地を訪れたのだったが、

私が肌で感じたものはやはり本物だった。

まだまだ問題があるにしても、物質的豊かさより心の豊かさがデンマークの凡ての人に行き渡っている。

同じ資本主義国でありながら、日本とは雲泥の差。

もうこれ以上の便利さはいらない !!

 

3月23日(日)

今週から毎週何か書こうと思う。

でも、何から書いてよいやら。

今、ウェイン・ショーターの“オデッセイ・オブ・イスカ”を聴いている。

彼のソプラノサックスが、耳にこびりついて離れない。美しい。

もうすぐ70歳になるというのに、今もジャズをリードしていく

彼に乾杯!

豪雨の中のVSOPのアンコール、ウェインの“ステラ・バイ・スタンダート”、“グリーンドルフィンストリート”

聴き直して感動した。(こちらはテナーサックス)