サン・セバスチャン・ジャズフェスティバル

 

2014年7月22日~8月1日、スペインのサン・セバスチャン・ジャズフェスティバルに行ってきました。

(サン・セバスチャンはスペイン北部、ピレネー山脈が近い海辺の街です) 

 

羽田からエールフランスで、パリ・ドゴール空港へ。

 

お昼ごろカルチェ・ラタンのホテルに到着。

学生街と聞いていたが、落ち着いた街並み。

大きなスーツケースを引きずっていたら、

親切な紳士が声をかけてくれた。

とても、自然体でさりげない。

人々が大人だな~と思う。

 

すぐ近くにあるリュクサンブール公園にいく。

サンジェルマン・デブレの立派な本屋、

その隣に見つけたギャラリー、どれもこれも、

どっしりとした歴史と文化を感じさせる。 

これからジャズフェスに向かうところなのに…。

  

パリを後にし、モンパルナス駅からTGVにて、一路スペインへ。

 

国境を通過し、列車はいつの間にかスペイン領に。

やっとサン・セバスチャンの宿に到着。

翌日からいよいよジャズフェスの始まり。 

野外やコンサートホールなど、街中あちこちに会場がある。

 

エンリコ・ラバ、

ボビー・マクファーリン、

ニコラス・ペイトン、

ジョン・スコフィールド、

チック・コリア&スタンリー・クラーク、

デイブ・ホランド、

サン・ラ、

ディーディー・ブリッジウォーター、

ワダダ・レオスミス、

秋吉敏子&ルー・タバキン… 

こんなにも沢山聴けた。

ルーの最近の円熟ぶり、そしてワダダのフリージャズには圧倒される。

 

天井桟敷の人々を思い出す古い建物の中で、シカゴ前衛派AACMの創立者、

ムハール・リチャード・エイブラムスのソロピアノを聴くことができた。

我が思想は我が未来に、今そして永遠に……。

60年代から今も少しも変わらないこの姿勢。

2時間の演奏は一度も途切れることなく、すべてが終わったとき、

客席に向って手を合わせて祈るようにお辞儀をした、その時の笑顔。

ジャズの未来に賭けてきたゆるぎない自信を感じ、

これだけでここまで聴きに来た甲斐があった。

途中で帰ってしまった観客、とても残念と思う。 

 

スペイン人は夜晩くまで飲んでいるのを外で見かけるが、

ジャズフェスの間、夜中に外で子供が遊んでいて、これには驚いた。

ライブで隣に座っていた、ドイツのデュッセルドルフから来たという父子、

とてもなつかしい。

 

このジャズフェスは毎年行われていて、地元の人々はとても楽しみにしているようだ。

街中で会った犬を連れた女性、今年もジョン・スコ来るよ、とうれしそうに言っていた。

サン・セバスチャンの人はみんなとても親切。

ここの名物はピンチョス(小さく切ったパンに魚介類やマッシュルームなど串に刺したもの)とワイン。 

思い出深い味だった。

 

サン・セバスチャンを後にし、列車でバルセロナに向かう。

バルセロナは大観光地。

もう地元の人が全然見当たらないほど、観光客でいっぱい。

なるほど、バルセロナがスペインから、 

独立したいと言っている感じがわかるようだ。

ガウディのいまだに未完成の教会は人の渦、

山の上にあるミロ美術館でやっと落ち着いた。

すぐ近くの広場から、空港行きの便利なバスが出ていた。

全て観光客のために動いている街のようだった。